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食品スーパー「オーケー」調査結果
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関東は梅雨の時期になり、蒸し暑さなどもあって息苦しい時期が続いています。今年の夏は暑くなることも予想されており、“Withコロナ”でマスクをどうすべきかなども議論になっているところです。しかしコロナの新規感染者がいなくなったわけではなく、また様々な考えをもった方々もいますので、多くのお客さまを相手にするチェーンストアの“2022年猛暑のマスク”問題は悩ましいところでしょう。

 

スーパーマーケット(SM)は品揃えや鮮度、価格はもちろん大切な要素です。とはいえこんな時代だからこそ、店内の演出、楽しい売場づくり、店の側のちょっとした気遣いなどが、お客さまの“琴線に触れる=心からホッとさせる”効果につながったりします。

 

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング(ARC)は、ミステリーショッピングのプロ集団であり、店頭のリアルな実態と、それが顧客の感情、再来店の意向に与える印象などを調査・分析するスペシャリスト集団です。好調企業の現状の店頭の実態=FACTを調査し、それが顧客の「また来たい」という印象(私たちはこれを「再来店動機」と呼んでいます)に与える要因などを解析することで、小売業の皆さんにこんな時代のお客さまの “琴線に触れるポイント”“また来たいと思ってもらえる勘どころ”を伝えたいと考えました。

 

今回は関東に134店舗を展開する「オーケー」をリサーチしました。このオーケーこそが、コロナのパンデミック下で最も伸長したチェーンストアかも知れません。その業績の売上高伸長率と経常利益率を見ると、以下のようになっています。

 

■ コロナの感染が広がり始めた2020年3月期:
売上高伸長率110.59%/経常利益率5.42%

■ コロナ禍で緊急事態宣言が何度も出された2021年3月期:
売上高伸長率116.77%/経常利益率6.17%

■ コロナ2巡目に入ってまん延防止策などがあった2022年3月期:
売上高伸長率103.16%/経常利益率5.94%

 

コロナ前の2019年3月期には3936億円だった売上高は2022年3月期には5242億円と1.33倍になり3年間で1300億円もの売上高増になりました。SMチェーンの1社を1300億円規模に育てるのも大変なことなのに、既存1社がここまで売上高を伸ばすのは驚異的でしょう。

 

オーケーは2022年3月期の既存店客数前年比は5.40%で、前年度の3.70%を超え“客数が増え続けている”のです。

 

 

低価格とシンプルな商品化 “安さイメージ=安い印象”強い

この理由は、第一に安さです。店舗コンセプトとして“高鮮度 EDLP”を掲げるオーケーは調査員のコメントでも「加工食品は特に安さが強調され、さすがオーケーという期待通り。ナショナルブランドのカレールーや、マヨネーズ、パスタソース、即席麺など、ニーズの高い商品がEDLPでお買い得だった」「アイス売り場で競合に対抗して安くしている旨を表示させたPOPがあり、安いと感じる工夫があった。ハーゲンダッツアイス安い」などのコメントもありました(以下、「」内は調査員のコメントより、このHP上からダウンロード可)。価格のハイローのないことに加え、定番商品の価格が安いことがその人気の秘密と思われます。

 

また季節を外れたメーカー処分品と思われる「メルティーキス(冬しか見ない)やハロウィン仕様のキットカットなど季節を外れた商品を安く提供していた」など、定番以外でも“思わず見つけた商品のお得”もあるようで、そんな点も人気かも知れません。

 

しかもこの安さ、特に惣菜などでは「ローコストオペレーションがはっきりしていて、盛り付けも商品の見た目も拘らないことがこだわりの様子」や「パッケージデザイン、ラベルデザイン、貼付方法も必要最低限の記載事項で、選ぶ楽しみや、見る喜びよりも、ローコストオペレーションが徹底」されていたようで、そうした点の分かりやすさもお客さまに伝わりやすいかもしれません。

 

現在は店頭には『値上げ前に購入してください』などの表示も多数あり、メーカーの値上げラッシュという逆風も“追い風”にしようという取り組みも強めています。

 

チェーンストアには“トレードオフ”という言葉があります。これはナショナルブランドにありがちな万人向けのムダ、不要な機能、品質を削って、低価格を実現しながら、その商品の特徴、お客さまにとってより有利な機能を強調する、そんな技術を言います。

 

オーケーの商品は無駄なものを削り低価格にしながら、“安さイメージ=安い印象”を強調するチェーンストアらしい商品づくりと言えるでしょう。

 

 

オリジナルのピザ、冷凍食材 品質へのこだわりも重視

オリジナルのピザ、冷凍食材 品質へのこだわりも重視|食品スーパー「オーケー」調査結果【無料資料ダウンロード】

 

第二に、安さだけでなく、その品質も支持される理由です。

 

オーケーは以前から極力、人工添加物、発色剤などを使わない商品を扱うことがこだわりで、店頭にも「無添加、発色剤など添加物が入っていない商品のPOPがあった」など、品揃えのこだわりを訴求していて、子育て世代には嬉しい商品が多いことも特徴です。

 

オリジナル商品では、特にコロナ禍の内食、まとめ買い需要でニーズの高まった冷凍食品などは「塩サバなどを店内放送で『ワンフローズン』をアピール⇒鮮度や素材のうま味を維持するために、産地で凍結させて一度も解凍せずに店舗まで運ぶ方式。魚の種類も多く購入意欲が高まった」とか「『凍眠市場』⇒液体急速凍結方式で青果を現地で凍結することで、獲れたての鮮度を維持した状態で消費者に届ける。市販の冷凍食品とは違う、高級感もある。値段は高め」など素材系の冷凍品で他社にはない取り組みをしている点も支持される理由でしょう。

 

オールスクラッチでインストア加工するピザも人気商品で、「出来立てのピザは店内放送で訴求され、価格も品質も魅力的だった」「焼きたてピザが469円とうたわれていた。この価格帯なら買いたいと思えた」とあり、この売場は休日には行列ができるほどです。

 

他社にはない商品の品質も、“こだわり”“おいしそう”の印象は強いようです。

 

第三に人気の理由は、ローコストオペレーションながら、実はその品質管理の的確さです。

 

そんなことが分かるのが「1週間以上先の消費期限なのに、割引シールが貼ってある牛乳があった」という調査員のコメントでしょう。

 

オーケーでは日付管理の方法を1品1品の消費期限(賞味期限)から“さかのぼる”方式(“消費期限の3日前から売価変更する”といったやり方)はとりません。前回までに納品された商品が“残”として残っていたら、次の新たな入荷商品を品出しする“前”に全ての商品に『3%』『5%』などの小幅の売価変更シールを貼付。品出し前に残商品全てにシールを張ることで“見切りもれ”もないし、いちいち日付を確認する必要がないので、手間もかからないことになるのです。店頭には『3%引きシールは賞味期限もきちんと残っているので安心だし“お得”』のパネルもあり、処分品のイメージは全くありません。

 

売場は補充が継続的に行われていて「品出しが行き届いており、商品がきっちりそろっている。床についは綺麗に清掃されていて蛍光灯がきっちりと反射している」「オーケーはいつ行っても誰か品出しをしている。あいさつはなく、黙々と作業をしていた」など売場レベルの維持も徹底されている店が多かったようです。サービスもトレードオフしているようです。

 

店によって床のディスタンスシールが汚れていたり、「オネストカード含めて、掲示や、インフォメーションが多すぎるようにも感じた。よれていたりずれていたりする」などの指摘もありました。店舗年齢や売場の規模もバラバラなので、確かに店ごとの格差が散見されたことも事実です。

 

ただオーケーは“あれもこれも”でお客さまを呼ぶのでなく、安さと品質に特化しているようにも見えます。

 

コロナ禍で収入が伸びない中、私たちチェーンストアは“同じ価格ならより良く、同じ品質ならより安く”をもう一度、思い出さなくてはいけない時期です。

 

オーケーの客数増の理由は“分かりやすい安さ”と“他社にはない品質”を徹底して伝えていることがその要因であり、現在の生活者にとってこの“安いけれど高品質のイメージ”こそが店選び際に重要かを物語っています。

 


コラム執筆 / 三浦美浩
1987年 東北大学卒業、損害保会社を経て商業界入社、「食品業業」編集長、「販売革新」編集長
2011年8月 商業界取締役就任
2017年1月 独立しロジカル・サポート㈱設立
2020年4月 エイジスリテイルサポート研究所所長に就任(兼任)、現在にいたる

 

長年にわたり小売業の現場に関わり、執筆活動と共に、分析や提言も行っている。
従業員教育にも関わりがあり、現場に即した研修には定評がある。

 

実査、報告書
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング㈱ 調査員


 

詳細な調査結果は「優秀チェーン7つのエクセレント」を下記よりダウンロードして頂けます。
ぜひダウンロードしてご覧くださいませ。

 

 

 

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