「マツモトキヨシ」調査結果 【無料資料ダウンロード】
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング(ARC)は、ミステリーショッピングのプロ集団であり、店頭のリアルな実態と、それが顧客の感情、再来店の意向に与える印象などを調査・分析するスペシャリスト集団です。ARCのスタッフ、調査員が好調企業の“店頭の実態=FACT”を調査し、それが顧客の「また来たい」という印象(これを私たちは『再来店動機』と呼んでいます)に与える要因をお伝えするのがこの連載です。
今回はドラッグストア(DgS)のマツモトキヨシをリサーチして見ました。ご承知の通り、現在、DgSは大変革期に直面していて、最大手の企業が5000店舗、2兆円を超える企業へと経営統合を進め調剤なども含めた規模の拡大で勢力を大きくする一方で、スーパーマーケットを買収し生鮮三品を品揃えしながらローカルで支持を拡大する企業、ディスカウントを強化してインフレ期に成長を果たすチェーンなどさまざまです。
そのなかでマツモトキヨシグループはマツキヨココカラ&カンパニーの一員として、2000店に近い店舗数を有し全国に店舗展開をしている企業(店舗数は2025年12月末)で、その特徴は一言で言って“都市部に強い”“若者に人気”でしょう。
今回はそのマツモトキヨシの都市部に強い、若者に人気の秘密を、ARCスタッフのリサーチの中から探っていこうと考えています(調査は2025年10月前後、価格は当時)。
PBは食品からビューティまで “かわいい➡科学的”まであり

店頭の最大の特徴はプライベートブランド(PB)の充実です。『プライベートブランドを改めて見直してみるとラインアップの幅広さに驚かされた。トイレタリーやラップといった生活必需品をはじめ、お菓子やおつまみ、即席麺、そば、ケチャップなどの食品類、スキンケアや化粧品、大人用おむつまでしっかり揃っている』『コーンクリームポタージュ 278円・・・口当たりはさらっとしていて、甘みのあるやさしい味わい。クセがなく飲みやすいので、朝食や小腹が空いたときにもいい。コーンが数粒入っていて、市販のコーンなどを追加すればさらに満足感が出そう。』などの声がありました(『』内は別紙ダウンロード資料の調査スタッフのコメントより)。
しかもそのネーミングは『プライベートブランドのネーミングが商品カテゴリー毎につけられていて語感がユーモア(マツキヨキクヨ・・・医薬品/マツキヨイイヨ・・・日用品/マツキヨカワイイヨ・・・化粧品)』とあり、若い世代の心をくすぐるものであったり『「マツキヨ LAB」は研究所のようなネーミングで管理栄養士監修の低脂肪・低カロリー商品が揃っていて、統一されたパッケージデザインもスマートだった。普段、運動なんてしてないけど、つい“これを買えば美ボディになれるかも…”期待して買いたくなってしまう。 サプリメント「ビタミンC」「マルチミネラル」など、研究所を想起させるネーミングで科学的に感じた』というものでした。
他のDgSチェーンとは少し違った“遊び心”を感じるPBが多かったようです。
同時に『WASH BLACKシリーズはプロ仕様の洗剤シリーズで、黒で統一されたデザインやPOPがかっこよく、思わずじっくり見入ってしまった・・・見た目の渋さとプロ仕様のスペックにあおられて、思わず「年末の大掃除、今年は全部揃えてやるか…!」と今からやる気になったかも?ホームセンターにありそうな商品がドラッグストアで買えて業務用クオリティを家で使えるのは純粋に嬉しいポイントだった』という声もあります。都市部というのは売場面積の大きなホームセンターが少ない地域も多く、その意味でそんなマーケットの“不”を満たす品揃えがマツモトキヨシにはあるのでした。
しかもこうしたオリジナル商品に、きちんと専門的な接客が伴っていることも強み。『MK 抗菌点眼薬 マージナル抗菌AZ 12ml・・・について、夕方になると下まぶたが痙攣(けいれん)したり、まぶたの縁が小さく腫れできものが出たのでスタッフに相談したところ薬剤師に引継ぎをして販売してもらえた商品。薬剤師から「普段パソコンしますか?」「いつから?」「片目だけか両目なのか」「太陽の下にずっといたのか」など聞き取りがあり、結果ものもらいを疑われ 処方された。 深慮深い表情で相談に乗ってくれ親身になってくれていると感じ、その後、ものもらいも大きくならず完治して購入して良かったと思えた』という接客がありました。
いかにも専門店らしいコンサルティングセールスです。
難しい都市部で立地別店舗 それぞれで新しい発見アリ

都市エリアは町の構造や周辺の立地、交通機関などによってさまざまな姿を見せて、意外にポイントポイントで商売の違っていて、郊外とは異なる難しさがあります。今回の調査ではそんなエリアにマツモトキヨシが巧妙に対応していることを気づいた調査スタッフもいました。
『POPや陳列の見せ方は店舗ごとに工夫があり、「同じマツモトキヨシは一つもない」と感じるほど。それぞれのお店で新しい発見があり、立地や客層に合わせて柔軟に最適化されている点が魅力だった。チェーン店なのに一律の“型”にはまらず、店長やスタッフの裁量で地域やお客様に合わせた商品ラインナップや売場づくりをしているのが印象的で、むしろそれがマツモトキヨシブランドの強みだと感じた。・・・新宿の店舗は3階建てで、都市型の立地に合わせた独特のレイアウト。階ごとに商品カテゴリーがしっかり分かれており、探しやすかった。通行人が多い新宿南口店では、店舗外に熱中症対策ドリンクや冷感アイテムを展開しており、季節の悩みを「気づかせてくれる売場づくり」がうまいと感じた』など専門調査員らしい視点も見えてきました。
特に女性に対しては『女性向け化粧品の売場は、照明の当て方や色味の演出が工夫されていて非常に明るく華やか。まるで専門店のような雰囲気で、売場面積も広い。他のドラッグストアと比べても明らかに力を入れている印象を受けた。女性だったら1日ここで過ごせそうと思った』という対応でした。
『大型店はお菓子や調味料、パンや日配品まで幅広く扱っていて、ドラッグストアに来たつもりが“ちょっとしたスーパー代わり”になる発見があった。まさかマツキヨにも納豆とかキムチとか卵があるとは思わなかった』という声がある一方で『店舗の立地や客層に最適化された売場ではある一方で、この商品は全店舗必ず販売していこうという商品がある印象。例えば、「かゆみ対策・ムヒ」はエンドや特設ステージでしっかりとアピールされていた』とあります。
個店対応と全店プロモーションは確実に両立していたのです。
価格対応も確実で『サプリメントもMKブランドが他社製品比較で安く毎日続けやすい 「ビタミンC 120粒(60日分)」・・・マツモトキヨシ 398円/DHC498円/他社PB590円。通販や他店舗より少し高めになりがちなサプリ類も、マツキヨでは種類が豊富に揃っている他、多くの商品が1,000円前後で販売されており、気軽に試せる価格設定』とあって、都市部の若い客層も使いやすい、買いやすい売価になっていたようです。
レジは並ぶとスタッフ呼び 商品紹介でもう一押し

同時にサービスレベルでも確実な統一された対応がありました。『1、2人がレジに並ぶと、スタッフを呼ぶボタンを押してくれるので、お客様を待たせないような配慮を意識しているのと、ルールで決めているように感じた。レジは常に常駐がおり、お客様が増えると店内放送して開放していた』とあったり、さらに一押しという意味では『レジでは紹介中やおすすめの化粧品と歯磨き粉が置かれていた。チラシを見ていると、「好みやなりたい希望に合わせて、種類がある歯磨き粉なんですよ~」とレジをしながら、商品紹介をしてくれた。レジをしながらちょうどいいテンポで感じの良い商品紹介だった』と個店レベルの好印象も多かったようです。
マツモトキヨシでは郊外型の店舗も増えていて『大型店の通路は広く取られており、ゆっくりと商品選びが出来る。入店口が広くとられ、照明も明るく入店しやすい環境だった』とか、『長時間ゆっくり商品を見比べられる自由な雰囲気があり、居づらさを感じさせず気軽に立ち寄れる居心地の良い店内環境が整っている』というコメントもありました。
熾烈な競争が、今後も続くDgSチェーンの世界です。その中でしっかり自社のポジションを確立して、そこに勝ち抜こうとするマツモトキヨシの強い意思と、その強みがしっかり分かる今回のリサーチでした。

著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。