顧客満足度を向上させる方法は?CS調査や覆面調査の活用方法や事例など

コラム

新規顧客の獲得やリピート率向上、ブランド力強化のため、顧客満足度の向上が注目されています。
そこで今回は、顧客満足度に注目し、その概要と、顧客満足度を向上させる方法のひとつとして、覆面調査の活用を紹介します。
この記事を読むことで、顧客満足度向上に向けてのヒントを得ことができるはずです。

 

顧客満足度とは

顧客満足度を向上させる方法は?CS調査や覆面調査の活用方法や事例など

顧客満足度とは、顧客が自社の店舗や商品・サービスを利用して感じる満足の度合いです。

 

顧客満足度は、顧客満足に作用する以下の要因によって決まってきます。

・ 店舗に来店する前に、顧客が事前に店舗やブランド、商品やサービスについて抱いている印象や期待。(例えば、インターネットで検索したり、SNSなどを通じて知ったりした情報から想像しているイメージやワクワク感などがあげられます。)

・ 実際に店舗に来店して、サービスを利用してみて感じる品質への評価。

・ 受けたサービスの品質と価格を対比して、顧客が感じるコスト・パフォーマンスに対する評価や納得感。

 

顧客満足度の満足・不満足を表す基準として、以下のような基準が使われます。

・ 利用した店舗や商品・サービスの内容について、知人や友人に話すと仮定したときに、肯定的に伝えるか、否定的に伝えるかのレベル。

・ 店舗や商品・サービスを利用した顧客自身が、今後もその店舗や商品・サービスを利用したいかといった、再利用の意向。

 

顧客満足度が低いとどうなる?

顧客満足度が低い場合は、自社の店舗や商品・サービスを利用した顧客自身が再利用する可能性が低くなります。
店舗経営では、新規顧客獲得が重要であるとともに、リピーターの育成も非常に重要です。
顧客満足度が低いということは、リピーターの育成が非常に困難な状況にあるということです。

 

また、自社の店舗や商品・サービスを利用した顧客が発信するクチコミ情報は、現代のマーケティングにおいて非常に重要です。
現代では会話に中の話題として話されるだけではなく、TwitterやインスタグラムなどのSNSによって、クチコミ情報が不特定多数の消費者に拡散されるからです。

顧客満足度が低い場合は、自社の店舗や商品・サービスにとって、マイナスの情報が拡散される可能性を含んでいるということになります。

 

顧客満足度向上の必要性とは?

顧客満足度向上の必要性は以下の3点になるでしょう。

・ 新規顧客の獲得
・ リピート率向上
・ ブランド力の強化

 

新規顧客の獲得

顧客満足度が高いと、顧客が発信する自社の店舗や商品・サービスの情報は肯定的な内容になり、クチコミから新規顧客が獲得できる可能性があります。

特に地域性の高いビジネスの場合、SNSを含めた地域のクチコミ情報は、新規顧客の獲得に大きな影響を及ぼします。

顧客満足度が高い状態は、自社の店舗や商品・サービスを利用した顧客が、肯定的に人に伝えるレベルであり、自分自身も再度利用したいと考えているロイヤルティが高いレベルです。

 

つまり、顧客満足度が高いと、お客様目線での自社の店舗や商品・サービスの評価が高い状態であることが想定されます。
満足度が高い顧客が増えれば、SNSなどでのクチコミを通じて、自ずと新規顧客を獲得できる可能性が高まるでしょう。

具体的には、顧客満足度の向上によって、以下のような項目についてお客様目線の高い評価を得ることに繋がります。

 

・ 商品やサービスそのもの
・ 店舗内の雰囲気
・ 従業員の接客
・ 情報提供(割引・ポイント・キャンペーンなど)

 

リピート率向上

顧客満足度を向上させることで、ロイヤルティが上がり、自社の店舗や商品・サービスを利用する頻度が上がり、より幅広い目的で継続的に利用していきたいという顧客の意識が高まります。

顧客は、自社の店舗や商品・サービスを第一候補に挙げるようになりリピート率が向上します。

 

ブランド力の強化

顧客満足度が高まることで、商品やサービスそのものや店舗内の雰囲気、従業員の接客の評価が高まり、リピート率が向上するなかで、ブランド力が強化されていきます。

 

顧客満足度の調査方法

CS(顧客満足度)調査では、必要な属性(性別・年代・住所・職業・世帯人数・利用日時・利用頻度など)を確認し、一般的には、以下の項目を調査していきます。

 

店舗や商品・サービスを利用して感じた満足の度合い

・ セールやイベント、キャンペーンなどが魅力的。
・ アクセスが良い。
・ 利用しやすい時間帯に営業していた。
・ 商品を見つけやすいレイアウト。
・ 店内は清掃が行き届き、清潔感があった。
・ 魅力的な商品が豊富に揃っていた。
・ 他の店舗にはないオリジナリティのある商品。
・ メニューや商品の価格表示がわかりやすい。
・ 店員の接客態度が良かった。
・ 会計はスムーズ。
・ 購入後のアフターケアの体制は信頼できる。
・ セールやイベント、キャンペーンなどが魅力的。

 

期待と顧客満足度の評価

・ 店舗を利用する前に、どの程度期待していたか。
・ 店舗や商品・サービスを利用してみて、「サービスの質」はどうだったか。
・ 支払った金額に対して、どうだったか。
・ 店舗や商品・サービスを利用してどの程度満足したか。
・ 店舗や商品・サービスを利用したことは、良い選択か。
・ 店舗や商品・サービスを利用して、生活を豊かにすることに役立ったか。
・ 店舗や商品・サービスを友人や知人、家族に話す際、良い話題とするか、悪い話題とするか。
・ 今後も店舗や商品・サービスを利用し続けたいと思うか。

 

CS(顧客満足度)調査の方法として代表的な方法は以下の2つです。

 

アンケート

アンケート用紙を店舗内に設置して、アンケートに回答してもらう方法のほか、サービス会社が提案するツールを活用する方法もあります。

たとえば、アンケートをQRコード化し、店頭やレシートに設置することで、来店した顧客がすぐに回答できるツールがあります。
アンケートの内容は、即時に通知され、店舗の店長などの管理責任者はリアルタイムで確認することができます。
アンケートデータは集計・蓄積され、分かりやすいレポートとして通知されます。

 

インタビュー

インタビューでは、インタビュアーが顧客に直接インタビューを行います。
実施方法は対面や電話、Webなど様々です。
インタビューは、1対1で行う場合と複数のグループで行う場合があります。

たとえば、少人数(5~6名)の顧客にお願いして、座談会形式でインタビューを行うケースがあります。
複数で行うと発言による顧客間のコミュニケーションが生まれ、会話が発展していく可能性が高まります。
そのため、アンケート等では調査できなかった情報や顧客の本音が見つけられることがあります。
インタビューとアンケートを組み合わせて、調査を行う場合もあります。

 

覆面調査を活用して顧客満足を向上

顧客満足度を向上させることで、新規顧客の獲得やリピート率向上、ブランド力の強化が期待できます。
店舗経営者は、いかにして顧客満足を向上させればよいか悩むところでしょう。
この章では顧客満足を向上せるための取り組みとして、覆面調査の活用を紹介します。

 

覆面調査とは?

覆面調査とは、匿名の経験豊富な専門調査員が、客として来店し行う調査です。

覆面調査専門サービス企業では、厳しい審査に合格した専門調査員が、評価基準を明確にした客観的で精度の高い調査を行います。

覆面調査によって、従業員の接客サービスや店舗のコンディションを客観的に調査することができます。
そのため、自店の強み・弱みを発見し、目指す姿と現状のギャップを把握でき、調査結果を効果的に活用することで、着実に顧客満足を向上させることができます。

 

顧客満足度向上のための活用方法

覆面調査は、店内で働いているマネージャーや従業員とは異なり、よりお客様目線でのチェックとして機能します。

そのため、客観的に問題点を得ることができ、顧客満足度向上のための改善案を考えることができるわけです。

調査結果は、覆面調査会社の専門家によって、数値化・可視化され、依頼した経営者や担当者が比較・分析できる分かりやすい調査レポートとして提出されます。
また、数値では表すことができない客の本音の部分も、調査員のコメントから知ることができます。

さらに、覆面調査会社に調査結果の分析、問題点の抽出、改善提案の依頼をするのもひとつの方法です。
覆面調査会社の豊富な調査実績で培った知見を活かし、顧客満足度向上のための具体的な提言・アドバイスを受けることができます。

 

CS調査と覆面調査の違い

CS(顧客満足)調査では、顧客満足度を数値化しますので、顧客が自社の店舗や商品・サービスにどれくらい満足しているか統計的に知るために有効です。
ただし、具体的な実態については掴み切れない傾向があります。
たとえば、CS調査の分析で、接客に対して満足度が高くても、具体的にどのような接客に対して満足度が高いのかは明確化されません。

顧客満足度向上のための、より具体的な現状把握や改善点を見つけ出すためには、覆面調査が向いているわけです。

 

顧客満足度向上事例

顧客満足度が向上すると、新規顧客の獲得とリピート率が上昇し、来店数が高まることが期待できます。
また、絶えず顧客満足度の向上に努めることは、重要な競合店対策になります。
この章では、覆面調査を活用した顧客満足度向上事例を紹介します。

 

「遠鉄ストア」は、浜松市を中心とする静岡県西部(一部愛知県含む)に33店舗を展開する、地域で業界トップの売り上げを誇るスーパーマーケットです。

「遠鉄ストア」では、顧客満足度向上のため、CSマネージャーによる全店舗の自社チェックを隔月で実施するとともに、覆面調査会社の覆面調査を導入しました。
挨拶や陳列、接客、レジチェッカーなど、細分化された項目を、自社チェックと覆面調査の両側面から分析し、課題解決に向けて会社全体で取り組んでいます。

自社チェックだけでは、どうしても店舗内の事情までわかりすぎてしまうので、100%純粋にお客様目線での判断ができない場合がありました。
覆面調査を活用することで、公平なお客様目線かつ、客観的な評価を得ることができるため、従業員が課題を素直に受け止め、顧客満足度向上意識が高まりました。

※「遠鉄ストア」の覆面調査を活用した顧客満足度向上事例の詳細は以下の記事をご覧ください。
楽しい買い物を通して地域に愛される高質スーパーを目指す

 

まとめ

顧客満足度とは、顧客が自社の店舗や商品・サービスを利用して感じた満足の度合いであり、新規顧客の獲得やリピート率向上、ブランド力の強化のために、顧客満足度向上が必要であるといわれています。

自社の店舗や商品・サービスの顧客満足度向上に向けて、より具体的な現状把握や、改善点を見つけ出すためには覆面調査が向いています。
覆面調査会社による覆面調査を活用して、顧客満足度向上を目指してみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。