ネットショップ通販(ECサイト)の売り上げを伸ばすためのポイントとは?

コラム

新型コロナウイルス感染症の対策として外出自粛が呼び掛けられ、とりわけ物販系分野におけるネットショップ通販(ECサイト)の市場規模が大きく拡大した昨今。今やECサイトは誰でも簡単に始められるサービスとなりましたが、ECサイトで安定的な売り上げを継続するのは容易いことはではありません。

 

この記事では、ネットショップ通販の売り上げを伸ばすためのポイントとして、ECサイト運営に欠かせない5つの施策をご紹介します。ECサイトを運営している方、なかなか売り上げが伸びずにお困りの方はぜひ参考になさってください。

 

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ネットショップ通販(ECサイト)で売り上げを伸ばす5つのポイント

BASEやSTORESといった簡単にネットショップを始められる無料ASPが登場し、高度なIT知識や運営スキルを持っていなくても、誰でも気軽にECサイトを開設できるようになりました。しかし、ECサイトは作って終わりではありません。これから長期にわたってサイト運営をしていくためには、安定的な売り上げを維持し続ける必要があります。

 

ECサイトの売り上げは以下の方程式で表すことができます。

ECサイトの売り上げ=アクセス数×購入率×客単価

・ アクセス数:ECサイトを訪れた人数
・ 購入率:注文数をアクセス数で割った割合(注文数÷アクセス数)
・ 客単価:売り上げを注文数で割った価格(売り上げ÷注文数)

 

ECサイトの売り上げを伸ばすには、アクセス数・購入率・客単価それぞれを上げていくことが求められます。3つの要素の掛け合わせで売り上げが決まるため、1つの要素が上がったとしても全体的な売り上げアップになるとは限りません。たとえばECサイトに多くの人が訪れてアクセス数が伸びても、商品を購入してもらえなければ売り上げにはつながらないからです。

ECサイトの売り上げを決める方程式をもとに、これからネットショップで売り上げを伸ばしていくには以下のような施策が必要です。

▶︎ECサイトの売り上げを伸ばす5つのポイント

1.SNS運用・Web広告

2.SEO対策

3.ユーザー目線のサイト設計

4.客単価を上げる

5.リピーターを増やす

ここからは、ECサイトの売り上げアップに欠かせない5つの施策についてそれぞれ解説していきます。

 

ポイント1. SNS運用・Web広告

ECサイトの集客アップを目指すには、自分のネットショップをより多くの人にアピールする必要があります。そのためには、InstagramやTwitterなどのプラットフォームを利用したSNS運用、リスティング広告やリマーケティング広告などのWeb広告出稿が効果的です。

多種多様なECサイトが次々と開設されている今、よほど独創的な商品・サービスでない限り、何もしなければ他のショップに埋れてしまいます。自分のネットショップにお客様を呼び込むには、SNSや広告を積極的に活用してどんどんアピールしていくことが大切です。

 

● SNS運用
スマートフォンの普及により利用が増加してきたSNS。これまでは何か調べ物をしたいときはGoogleやYahoo!といった検索エンジンを利用するのが一般的でしたが、最近は若者を中心にSNSを使って情報を得る層が増えてきました。そのため、InstagramやTwitter、Facebook、LINEなどを活用したSNS運用は、検索エンジンの利用機会が少ない層にも訴求できます。

また、SNSのアカウントは基本的に無料で作成できるため、運営コストが抑えられる点も大きなメリットでしょう。若い世代や女性の利用が多いInstagram、ビジネス利用が多いFacebookなどそれぞれのプラットフォームの特性を理解し、自分のECサイトに合ったSNSの活用を検討しましょう。

 

● Web広告
ECサイトを宣伝するためのWeb広告では、主にリスティング広告やリマーケティング広告が使われています。リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードと連動し、ユーザーの関心が高いと見込まれる広告が検索結果に表示される仕組みです。一方リマーケティング広告とは、過去にWebサイトにアクセスした履歴があるユーザーを追跡して広告表示するもので、離脱した見込み客へ再度アプローチできます。

 

SNS運用とは異なり、広告出稿にはある程度のコストがかかります。しかし、Web広告を活用すると見込み客になりやすい層に狙いを定めてアピールできるため、短期間でも成果が出やすいメリットがあります。

 

ポイント2. SEO対策

SEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)とは、検索エンジンの検索結果上位にコンテンツを表示させる施策をいいます。検索からの自然流入を狙うにはECサイトのSEO対策が必要です。Web広告のようにすぐに成果が出る施策ではありませんが、コストをかけずに集客経路が増やせるメリットがあります。

 

ECサイトに限らず、SEO対策に欠かせないのが適切なキーワード選定です。競合性の高いビッグキーワードよりも、複数のキーワードを掛け合わせたロングテールキーワードを狙うことをおすすめします。その際はユーザーのニーズに合ったキーワードはもちろん、季節的な流行やトレンドにまつわるキーワードも組み合わせるのがポイントです。

 

ビッグキーワードは当たると大きな効果がありますが、その分競合が非常に多く、他のネットショップに埋れてしまう可能性が高いでしょう。一方、ロングテールキーワードは競合が少ないため、ビッグキーワードよりも上位表示されやすくなります。まずは競合性の低いロングテールキーワードからチャレンジしていくとよいでしょう。

 

また、ECサイトに掲載するコンテンツは、他ショップの文章を流用したり、サイト内で重複したコンテンツを掲載したりするのではなく、オリジナリティの高いものを作ることが求められます。オリジナリティはSEOにとっても重要ですが、ユーザーが求めている情報を網羅したコンテンツは顧客満足度を高め、売り上げアップにも大きく貢献するでしょう。

 

ポイント3. ユーザー目線のサイト設計

SNS運用やWeb広告、SEO対策はECサイトのアクセス数アップに効果的な施策ですが、そこから購買行動を起こしてもらうにはユーザー目線のサイト設計が欠かせません。サイト全体がごちゃごちゃしていてどこに何があるかわからない、スマートフォンから見るとレイアウトが崩れているなど、ユーザー目線に立っていないECサイトではせっかくアクセスしてくれたユーザーを逃してしまいます。

 

商品の売り上げにつなげるには、ECサイトを訪れたユーザーが迷うことなく商品を閲覧・購入できる導線、シンプルで見やすいレイアウトなど、使い勝手のよいECサイトを構築しユーザビリティを高めることが大切です。また、最近はパソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからECサイトを閲覧するユーザーが増えているため、どのデバイスからでも綺麗に表示されるようレスポンシブデザインに対応させる必要があります。

 

ポイントはユーザー目線に立ち、ユーザーにとって使いやすいECサイトを作ること。
サイト設計において自分の個性を出すことは、他ショップと差別化するうえで有効な施策とも考えられます。しかし、ECサイトの目的はあくまで商品を購入してもらうことです。これから売り上げを伸ばしていきたいECサイトの運営者は、自分の個性よりもユーザビリティを意識した方がよいでしょう。

 

また、ユーザビリティの向上はSEOにおいても間接的な効果が見込めます。使い勝手のよいECサイトはユーザー体験を高め、滞在時間が長くなったり再訪問したりする傾向があるため、検索エンジンが有意義なサイトとして評価してくれるからです。

 

ポイント4. 客単価を上げる

客単価とは「顧客一人当たりが一度の購買で支払う金額の平均額」をいい、合計売上を注文数で割って算出します。集客や購入率が上がっても、客単価が上がらなければ全体的な売り上げアップにはつながりにくく、ECサイトで安定的な売り上げを継続するには客単価の向上にも取り組む必要があるでしょう。

 

ECサイトで客単価を上げるには、商品そのものの単価を上げることが最も簡単な方法です。しかし、理由もなく突然値上げしてしまうと、客離れを引き起こす可能性があります。単価を見直す場合は商品の品質向上やアフターサービスの充実といったこれまでにない付加価値を演出し、単価を上げる理由を明確にすることが大切です。

また、客単価を上げる施策としては「アップセル」「クロスセル」といった手法もあります。

 

●アップセル
アップセルとは、顧客が購入予定の商品よりも価格の高い上位商品を提案し、購買してもらうことをいいます。ポイントは少し出費を増やすことで得られる「お得感」や「満足感」をアピールすること。アップセルで客単価を上げるには、よりグレードの高い商品を購入することのメリットを提示しましょう。

なお、アップセルとは反対に、当初よりも価格の低い下位商品を提案する「ダウンセル」という方法もあります。これは商品価格と予算が合わずに購入を見送ろうとしている場合に、顧客を繋ぎ止める目的で使われる手法です。

 

●クロスセル
クロスセルとは、顧客が購入予定のメイン商品と関連性の高い別商品を提案し、同時に購買してもらうことをいいます。また、商品のメンテナンスやアフターサポートなど、購入する商品の補完的なサービスを提案することもあります。

ECサイトでは「一緒に購入されることが多い商品」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というように、関連商品との「合わせ買い」や「ついで買い」を促すクロスセルの手法がよく使われています。商品を買い物カゴに入れたタイミング、購入ページに移行するタイミングなど、顧客の購買意欲が高まっているときに関連商品を表示させるのが効果的です。

 

ポイント5. リピーターを増やす

ECサイトの売り上げを伸ばすには、「アクセス数」「購入率」「客単価」の3つの要素をバランスよく上げていくことが大切です。そのうえで、売り上げアップを一時的なものにしないためにはリピート率を上げる、つまり自分のネットショップをひいきしてくれるリピーターを増やすことが重要になってきます。

リピーターを獲得すると、集客コストが抑えられる、安定的な売り上げが見込めるといったメリットがあります。また、繰り返し商品を購入する顧客は商品やECサイトに対する満足度が高いため、SNSや口コミサイトなどで良い評判を広げてくれることも期待できます。

 

ECサイトのリピーターを増やすには以下のような施策が効果的です。

• メールマガジンを配信する
• クーポンや割引情報を送信する
• リターゲティング広告を活用する
• 商品に手書きのサンクスカードを同梱する
• ユーザビリティに配慮したサイト設計をする(表示速度、導線、レイアウトなど)

 

ポイントは顧客との接点を増やし、再度購入したいと思ってもらえるような価値を提供することです。ただし、メールマガジンの送信頻度が多すぎたり、顧客が必要としていない情報を送信したりすると、リピーターを増やすどころか顧客離れにつながるおそれがあります。適切な送信頻度で顧客のニーズに合った情報を届けることが大切です。

2割の優良顧客が売り上げの8割を占めているという「パレートの法則(2:8の法則)」もあり、リピーターの優遇は費用対効果が高いといえます。顧客のリピート率を上げる施策は、ECサイトで安定的な売り上げを維持するためには必要不可欠です。

 

まとめ

ネットショップ通販(ECサイト)の売り上げを伸ばすには、SNS運用やSEO対策でショップのアクセス数を上げる施策、ユーザビリティの向上で商品の購入率を上げる施策、アップセルやクロスセルを活用し客単価を上げる施策が有効です。また、購入履歴がある顧客をリピーターにできれば、集客コストが抑えられるうえ、安定した売り上げを継続できるメリットもあります。

 

ECサイトの運営を続けていくには「売り上げ」が欠かせません。今回ご紹介した売り上げアップの施策に取り組み、安定的なショップ運営を目指しましょう。

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エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。