ネットショップ通販(ECサイト)をかんたんに始める方法をご紹介

コラム

コロナ禍の今、インターネット上で商品やサービスを売買するネットショップ通販(ECサイト)の需要がますます拡大しています。サイト構築のノウハウを持っていない場合、ECサイトをゼロから始めるのは大変だと感じるかもしれません。しかし、ECサイトにはいくつかの種類があり、その中には今すぐにでも始められる、初心者でも簡単にネットショップを開設できるサービスがあります。

 

この記事では、ECサイト初心者に向けて、ネットショップ通販を簡単に始める方法をご紹介します。実店舗を持たずに、商品・サービスをより多くの人へ届ける方法を探している方の参考になれば幸いです。

 

ECサイトとは

 

ECサイトとは「Electronic Commerce(電子商取引)」の頭文字をとったもので、商品やサービスをインターネット上で販売するウェブサイト(=ネットショップ通販)です。
コロナ禍でEC市場は大きく伸びており、非対面・非接触で利用できるECサイトのニーズは今後も伸長すると予測されています。

 

ここでは、ECサイトの具体的な機能や実店舗との違いをご紹介します。

 

ECサイトの機能・仕組み

ECサイトの機能は、商品を購入するユーザー側が使う「フロント機能」、商品を販売する管理者側が使う「管理機能」の2つに大別されます。ECサイトにはさまざまな機能を追加できますが、まずはショップ運営に最低限必要な機能の特徴や使い方を理解し、使いこなせるようにしておくことが大切です。

フロント・管理それぞれに含まれる主な機能は次のとおりです。

 

●フロント機能
• マイページ(会員情報登録、会員情報編集、過去の注文履歴、メルマガ登録・解除など)
• 商品紹介(商品一覧、商品詳細、商品レビュー、お気に入り登録など)
• 商品注文(ショッピングカート、決済方法、届け先設定、ポイント設定、自動メール送信など)

 

●管理機能
• 商品管理(商品登録、商品検索、在庫情報など)
• 顧客管理(顧客登録、顧客検索など)
• 受注管理(受注情報検索、受注対応状況、各種メール配信など)
• 売上集計(商品別売上集計、期間別売上集計など)
• 基本情報設定(店舗情報、支払い方法、会員規約、セキュリティ設定など)

 

ECサイトを始める目的

ECサイトを始める目的には以下が挙げられます。

• 実店舗で販売している商品の販路を広げたい
• 実店舗を持たずに商品を販売したい
• 商品やサービスの知名度を上げたい

 

インターネットを通じて商品やサービスを販売するECサイトであれば、実店舗よりもグッと販路を拡大でき、ショップを開いている限りはいつでもどこからでもアクセスしてもらえます。ECサイトには誰でもアクセスできるため、提供する商品をより多くの人に知ってもらえ、商品のファンを増やすことにもつながるでしょう。

 

ECサイトと実店舗は何が違う?

ECサイトはインターネットを通じて展開するサービスなため、販売する時間や場所の制約がなく、24時間365日いつでも商品を販売できます。一方、実店舗は決められた営業時間内での販売となり、営業時間外は原則としてお客様に商品を見てもらうことも購入してもらうこともできません。実店舗はお客様と直接コミュニケーションが取れるメリットはあるものの、ECサイトと比べ販売機会が少ないといえます。

 

また、ECサイトと実店舗では開業にかかるコストがまったく異なります。実店舗の場合、物件の取得から内装・外装の工事、デザイン費などが発生し、店舗運営にあたっては家賃や水道光熱費、人件費などがかかります。ECサイトもサイト構築に手間をかければコストは膨らみますが、無料で簡単にショップを開けるサービスもあり、実店舗と比べ大幅にコストを下げることができます。

 

ECサイトの種類

ECサイトは大きく「モール型ECサイト」と「自社ECサイト」の2種類に分けられます。
モール型と自社サイト型にはどのような違いがあるのか、それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介します。

 

ECサイトには「モール型ECサイト」と「自社ECサイト」がある

モール型ECサイトとは、ショッピングモールのようにさまざまな店舗がひとつに集約されたECサイトを指します。さらにモール型ECサイトには、各事業者がプラットフォームにショップを”出店”する形で運営する「テナント型」、商品を”出品”する形で運営する「マーケットプレイス型」があります。

 

●モール型ECサイトの一例
• 楽天市場(テナント型)
• Yahoo!ショッピング(テナント型)
• Amazon(マーケットプレイス型)
• メルカリ(マーケットプレイス型)

 

一方自社ECサイトとは、ショップの運営者が独自にドメインを取って構築・運営するECサイトを指します。自社ECサイトを作る手法はさまざまで、サイト構築に必要な機能がクラウド上で提供される「ASP」(※)、ゼロから自由にシステム設計する「フルスクラッチ」などがあります。

(※)Application Service Provider / アプリケーション・サービス・プロバイダ
ネットワーク経由でアプリケーションを提供する事業者のこと

 

●自社ECサイトの一例
• ASP
• オープンソース
• ECパッケージ
• フルスクラッチ
• クラウドEC

 

モール型ECサイトのメリット・デメリット

モール型ECサイトでネットショップ通販を始めるメリットは、すでにモール自体に知名度があり、多くの集客が見込めることです。また、楽天市場やYahoo!ショッピングに代表されるように、モール型ECサイトは大手が運営していることが多く、ユーザーからの信頼が得やすいメリットもあります。

 

一方モール型ECサイトのデメリットとしては、知名度のあるモールのイメージだけが強く残り、出店するショップの印象は薄れてしまうことが挙げられます。ユーザーは買い物をしたモール(楽天市場やYahoo!ショッピングなど)は覚えていても、モールの中のどのショップで買ったのかは認識していないことが多いからです。

 

自社ECサイトのメリット・デメリット

自社ECサイトでネットショップ通販を始めるメリットは、商品やサービスはもちろん、ショップ自体のブランディングもしやすく、他のショップとの差別化ができることです。ゼロからデザインや機能を構築したい場合はフルスクラッチ、なるべくコストを抑えて簡単に始めたい場合はASPを選ぶなど、選択肢が多い点もメリットといえるでしょう。

 

一方自社ECサイトのデメリットには、自分の力で集客しなければならず、一定の成果が表れるまでには時間を要することが挙げられます。自社ECサイトの種類によっては多額の開発コストが発生し、運営にあたっては集客のために広告費やプロモーション費がかかるため、成果が出るまでは厳しい運営状態になる可能性があります。

 

ECサイト初心者であれば、「BASE(ベイス)」や「STORES(ストアーズ)」などの無料で利用できるASPがおすすめです。選べるデザインやカスタマイズに制約はあるものの、初期費用をかけずに気軽に始められるため、ショップ運営の第一歩としてはぴったりでしょう。

 

【初心者向け】ECサイトをゼロから始める5STEP

 

ECサイトをゼロから始める流れは次のとおりです。

1. ECサイトのコンセプトを明確にする

2. ECサイトの種類を選ぶ

3. デザイン・機能を決める

4. 決済・配送方法を設定する

5. 商品を登録する

ここからは、ショップ運営が初めての方に向けて、ECサイトを始める5つのステップをわかりやすくご紹介します

 

STEP1. ECサイトのコンセプトを明確にする

ECサイトを作る前に、まずはショップのコンセプトを具体的に設定する必要があります。コンセプトが明確なECサイトには一貫性があり、ショップ運営においてもブレが生じにくくなります。コンセプトはECサイトを構築するうえでの軸となるため、サイトデザインや機能を考える前に決めておくことが大切です。

 

ECサイトのコンセプトを決めるにあたり、基本となる考え方は次の3つです。

• Who(だれに):どの層をターゲットとするのか
• What(なにを):どのような商品・サービスを提供するのか
• How(どのように);商品・サービスをどうやって販売するのか

 

また、他のECサイトとの差別化を図るために、自分のショップにはどのような強みがあるのかについても考えておきましょう。「どこかで見たことがある」「他のショップで買っても同じ」とユーザが感じた場合、他の数あるECサイトに埋もれてしまいます。明確なコンセプトのもと、オリジナリティのあるショップづくりを意識しましょう。

 

STEP2. ECサイトの種類を選ぶ

コンセプトが決まったら、どのプラットフォームを使って商品を販売するか、ECサイトの種類を選びましょう。ECサイトには楽天市場やYahoo!ショッピングに代表される「モール型ECサイト」、自分でドメインを取得してサイトをつくる「自社ECサイト」があります。

 

もちろんひとつに限定する必要はなく、複数のショップを持っても構いません。モール型ECサイトを利用するユーザーと、自社ECサイトを利用するユーザーはほとんどかぶらないため、複数のショップを運営することで顧客層の拡大につながります。

 

初心者でも取り組みやすいECサイトは、「BASE(ベイス)」や「STORES(ストアーズ)」などの無料ASPです。ECサイトづくりに必要な機能が公開されているため、自分でサーバーを用意する必要がなく、ショップを開設するだけならわずか数分でできてしまいます。

 

ゼロから構築するサイトと比べカスタマイズ性は劣りますが、技術がなくても簡単にECサイトがつくれるため、初心者の方は無料ASPから始めることをおすすめします。

 

STEP3. デザイン・機能を決める

ECサイトの種類を選んだら、あらかじめ設定したコンセプトをもとに、ショップのデザインや機能を決めていきます。

 

デザインや機能を決める際は、ライバルとなる他のショップを参考にしましょう。ショップの独自性は後からでも取り入れられるため、サイトを構築する段階では他のショップを参考にしながらイメージを膨らませることをおすすめします。

 

デザインや機能を考えるうえでのポイントは、パソコン・スマートフォンどちらからでも見やすく、操作しやすいように設計することです。ECサイトはスマートフォンからの購買行動が多いため、パソコンだけでなくスマートフォンのユーザビリティ(ユーザーが感じる使いやすさ)も意識することが大切です。

 

STEP4. 決済・配送方法を設定する

サイトデザインや機能が決まったら、次は商品の決済・配送方法を設定します。

 

●ECサイトに取り入れたい決済方法の一例
• クレジットカード決済
• コンビニ支払い
• 外部ID決済(Amazon Pay、楽天ペイなど)
• キャリア決済
• 銀行振り込み
• 後払い

 

商品の配送方法は、軽量・薄型の商品ならメール便、規定のサイズを超える場合は宅配便というように、自分の裁量で使い分けるとよいでしょう。

 

ASPを使う場合も配送方法はショップ側に任されるのが一般的ですが、ASPによっては商品保管や梱包、配送作業をすべて任せられるサービスを提供しています。梱包・配送作業に手が回らずショップ運営に影響が出るようであれば、こうしたサービスの利用も検討してみましょう。

 

STEP5. 商品を登録する

ECサイトの設定が一通り終わったら、ショップで販売する商品を登録していきます。

 

●商品登録で設定する主な項目
• 商品名
• 商品画像
• 商品説明
• 販売価格
• 在庫数
• スペック(サイズ、素材、生産地など)
• カテゴリ

 

商品登録にあたっては、画像のトリミングや色調補正といった加工スキル、ユーザーが知りたい情報を簡潔にわかりやすくまとめるスキルが必要です。商品の取り扱い数が多いと商品登録も膨大な作業量となるため、手が回らない場合はアウトソース(外注)を検討することをおすすめします。

 

まとめ

ECサイトとは、インターネットを介して商品やサービスを販売するウェブサイトです。ショップ側には24時間年中無休で営業できるメリット、ユーザー側には店舗に足を運ばずいつでもどこからでもアクセスできるメリットがあります。

 

ネットショップの運営に必要な機能が備わった「ASP」なら、サイト構築の技術がない初心者でも簡単にショップを開設・運営することができます。商品の販売場所を探している方、より多くの人に自分の商品を知ってもらいたい方は、ネットショップ通販を始めてみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール
エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。