「おもてなしの心」で 成長し続ける地域共生企業

ジェイアールサービスネット岡山様

接客サービスの充実を目指し、自社スタッフによる接客診断をしてきましたが、評価基準のバラつき、顔見知りによる調査の先入観などがあったため、より客観的な評価、スタッフの接客指導に直結するアドバイスを求め、ミステリーショッパー調査を導入しました。

お客様の課題

  • ハイレベルな接客サービス提供のための客観的・公平な評価と問題点の洗い出し

お話を伺った方:

株式会社 ジェイアールサービスネット岡山

代表取締役社長 北條裕介氏

営業部 副課長 岡本史代氏

 

 

企業概要

2000年(平成12年)2月14日設立

代表者:代表取締役 北條 裕介

本社所在地:岡山市北区駅前町2-4-6

年商:2019年度 116億円

資本金:2億3000万円

店舗数:76店舗(直営43、テナント33)(2021年3月31日現在)

 

業態拡大で成長する駅ナカ販売のプロ

ジェイアールサービスネット岡山の前身は、昭和初期に鉄道会社が始めた駅構内での売店事業キヨスク。駅を利用する多くのお客さまに、便利な品揃えと素早く正確な接客を提供してきました。時代の変遷とともに、駅ナカ店舗は大きく変化し、セブンイレブンとの提携、飲食業も加わり、同社は地域を支え活性化を担う必要不可欠な存在として、日々成長し続けています。

 

店舗数は岡山県と広島県東部の駅ナカを中心にお土産店、セブンイレブン、飲食店を直営で43店舗、テナントで33店舗を展開。約800人の従業員のモチベーションアップに創意工夫を凝らし、接客サービスの向上に尽力しています。

 

地域との協業を強化し地域共生企業へ

 

「地域密着の駅ナカ開発」を掲げ、お土産、駅弁、コンビニエンスストア、飲食、自動販売機、テナント、ネット通販の各事業を手掛ける上で、岡山・瀬戸内エリアの地域の生産者、商社、自治体、商工会議所、農協、学校などとの協業は欠かせません。

 

特に同社が新たな取り組みとしてチャレンジしているオリジナル商品の開発は、瀬戸内エリアの魅力・価値向上を目指す「せとうちパレットプロジェクト」や「ふるさとおこしプロジェクト」の一部として、地元企業との協業で進められています。
まだまだ知られていない地元に眠っている‟いいもの”‟美味しいもの”を発掘し、ブランド認定から販路拡大まで手掛ける中でオリジナルブランド「JR PREMIUM SELECT SETOUCHI」シリーズをリリースし、直営店舗の他、JR西日本グループ各サービスネット他社、JR東日本クロスステーション社、東海キヨスク社などJR他社の店舗、百貨店、イオン等でも販売し、販路を拡大しています。

 

「岡山と広島エリアの美味しいもの、いいものを実際に生産者のところまで足を運んで見つけ出す、地域に根ざしたいいものはないかと地域の魅力を発信できる商品を考えています」とお話くださったのは北條社長。
また、商品開発のみならず、地元企業のお土産を集めて審査する、新たなお土産開発のためのイベントの企画運営、店舗の市中出店、飲食業運営、地域の特色を生かしたお土産や駅弁の店舗を集結した商業施設やエリアの開発など、常にアンテナを張り巡らし、地域の海や陸の素材、文化、産業を生かした商品づくり、店舗づくりを実現しています。

 

セブンイレブンとの提携で販路拡大

キヨスク時代から続く駅ナカの販売業を得意とする同社の強みは、正確で機敏なオペレーションと接客サービスです。

「昔のキヨスクの販売員は商品の価格をすべて覚えていて、レジを通す間もなく暗算でおつりをパッと出し、目の前のお客さまに対応しながら別のお客さまのおつりを計算していました。
お客さまは電車に乗る前の限られた時間で買い物をしていくので、秒で対応できるようにしていたんです」と話すのは岡本副課長。店舗業態の変化とともに自慢の接客スキルもさらに向上し、2014年にはセブンイレブンと業務提携をおこない、自社店舗やネットに限らず、沿線外やエリア外への販路拡大がスタート。
両者の強みを生かした物販展開にも意欲的に取り組んでいます。

 

全従業員を対象とした満足度の向上施策

 

「お客さまに日々直接応対するスタッフのモチベーションが上がらなければ、売上にはつながりません。顧客満足を実現するには、店舗運営を支える従業員の満足度を上げる工夫が必要だと考えています」と岡本副課長。
正規雇用者のみならず、店舗に立つ非正規雇用者にも「褒められる」機会を作るシステムづくりに取り組んでいます。
各店舗の店長と連携し、まずは日々の小さな褒めポイントをとりこぼさないようにする「褒める文化」の浸透から着手。
スタッフの良い接客応対や、事故の未然防止につながる行動などに着目し、さまざまな取り組み結果によって個々に褒賞する仕組みを作りました。スタッフの間に笑顔が増え、そのストーリーを全店舗に共有することで意識アップにもつながっています。

 

年1回のレクリエーションも全従業員対象で企画されています。スタッフ同士のコミュニケーションを円滑にし、従業員の意見を拾い共有するための意見交換会は店長主導で開催。
他店舗との情報共有にも役立っています。昇格・賞与・昇給の対象者は、パートも含め明確な評価基準を設定し、スタッフの中から選定して支給しますが、金額よりも「選ばれる喜び」が仕事への意欲を高め責任感を育んでいます。

 

チームワークで接客スキルアップ

 

どんなシチュエーションで、どんな応対をすればお客さまに気持ちよく買い物していただけるか。同社ではお客さまの満足度を高める施策として、模擬店舗でのロールプレイングでの接客応対を審査・評価する「フロントサービス競技会」を実施しています。顧客の定着、売上アップにつながる接客スキルを磨くことが目的で、出場を躊躇していたスタッフからも、とてもいい経験になった、勉強になった、再認識ができた、といった評価が得られ、さらに各店舗の団結力を高める効果もみられました。

 

また、キーワードを基に各店舗が目標を設定し、日々の接客で実践する取り組みも。
キーワードは社長が提起。「笑顔とありがとう」をテーマに「コロナ禍のマスク越しでも伝わる笑顔と感謝」を課題として、全店舗で当たり前のこと、接客の基本の徹底に努めました。

 

公平・客観的な評価を求めて調査導入へ

 

接客スキルが売上を左右するともいえる販売業において、自前で接客診断をする企業は少なくありません。同社も自社幹部による接客診断を実施してきましたが、幹部による評価にスタッフが身構えていつもの接客ができなかったり、また幹部の見知った?スタッフだけが高評価を得るなど公平性に欠けるところに課題がありました。「どうせ自分は見てもらえないだろう」と店舗スタッフの士気が下がることもあり、まず必要なのは、第三者の客観的で公平な視点からの評価・問題提起だと考え、ミステリーショッパー導入に踏み切りました。

 

エイジス社は、同業他社を多く扱っているので、その数多い評価に基づく診断項目によって正当な評価が得られるというメリットがあります。診断員がいつ来店したか、スタッフには全く分からないため、日頃の正直な接客態度が評価されます。それがスタッフの競争心に火を付け、地位向上のモチベーションにもなっています。

 

同社では調査の報告会を実施し、調査結果の内容を各店舗と共有し改善点を洗い出すことで、スタッフの意識改革に役立てています。調査の評価報告書をもとに自己診断・相互診断をするなど、スタッフの自主的な取り組みも見られるようになっていると岡本副課長。

 

「好評価の部分はモチベーションアップにつながり、改善ポイントは積極的に取り組むべきこととして具体的に洗い出されるので、当たり前のことを再認識、注意するきっかけにもなっています」

 

 

販売力を磨き、人間力を磨く

 

「人々の生活様式が大きく変化する中で、対面によるサービス、『接客』はこれまで以上に重要になってくるでしょう。今の取り組みをコツコツと積み重ねていくことで、岡山・広島エリアにまた来たいと思ってもらえるような接客を、全スタッフができることを目指したいです」と話す北條氏。

「販売力=人間力を磨くこと。一人の人間としてどうあるべきかを考えて接客してほしい。今後も心の通った接客、『おもてなしの心」で魅力的な商品やサービスを提供していきたいです」。

優位性のある自社の強みを生かして新たな事業に果敢にチャレンジする姿勢、正規・非正規に関わらず従業員を大切に育てる姿勢に、地域共生企業としての更なる進化が期待されます。