エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングの深掘り解剖 「エリア・業態・出店立地別」時系列分析

調査結果

エリア別サービスレベル分析

 

県別で1位に躍進したのは秋田 依然として“東高西低”の傾向続く

 

全国のサービスクオリティ調査の総合達成率で10エリア中、1位に輝いたのは東海で79.1点であった(昨年3位)。次いで2位が北関東で78.1点(昨年1位)、3位が首都圏で78.0点であった(昨年5位)。

北関東と東海は4年連続でトップ3に入っており、昨年5位の首都圏が3位へと順位を上げた(図表①)。


図表①エリア別総合達成率ランキング

同様に下位の9-10位は中国・九州/沖縄地方に固定されていて、若干の変動はありながらもほぼエリアごとの傾向は変わっていない。
サービスクオリティにおいては東日本が高く西日本が低いというトレンドは2014年より一貫している。
また1位から10位の得点差は4.1ポイントと、昨年7.7ポイントと比べ差が小さくなった(図表②)。


図表②1位と10位のポイント差

部門別のランキングは北海道が秀でているが…

 

①「売場づくり部門」北海道連続1位

お客が自分でセレクションできるような商品陳列やPOPの展開がなされていたかを調べる「売場づくり部門」では1位が北海道(昨年1位)、2位が近畿(昨年4位)、3位が東海(昨年5位)の順となった。
中でもTOPの87.9点を取った北海道は、2位、1位、1位と毎年安定して高得点を維持している。
最下位は78.3点で昨年9位の九州/沖縄であった。

 

②「ホスピタリティ部門」北関東1位

「ホスピタリティ部門」(フロアにいる従業員がお客へのあいさつや声掛けを実施してお迎えができているか、私語や身だしなみなどの項目がクリアされているか)では1位が北関東(昨年1位)、2位が東海(昨年3位)、3位が首都圏(昨年4位)の順となった。

1位の北関東は2017年から3年連続1位という素晴らしい成績。
同じく東海も2017年から4年連続で3位以内と安定した結果を維持している。
売場づくり部門1位の北海道はこの部門61.8点で、昨年の5位から大きく後退し最下位となった。

 

③「接客スキル部門」北海道高水準

接客スキル(商品の誘導案内やニーズの確認など、お客との接客が笑顔できちんとなされているか)の部門では個人の接客の技術を調査している。

この部門では、1位が北海道(昨年2位)、2位が北関東(昨年1位)、3位が東北で(昨年6位)となった。
なかでも1位の北海道は昨年2位以外2014年よりすべて1位という結果で接客スキルの高さが際立っている。
接客スキルが抜きんでているだけに前述のホスピタリティのスコアの低さが非常にもったいない。
最下位は69.3点の中国(昨年9位)。2018年7位、2019年9位と下降傾向が継続している。

 

④「レジ・チェッカー部門」東海1位

レジ・チェッカー(レジに商品を持っていくところから、お見送りまでの一連のキャッシュアウトの動作)の部門では1位東海(昨年3位)、2位北関東(昨年1位)、3位北信越(昨年2位)である。

昨年3位の東海が1位を獲得。北関東と北信越は1つずつ順位を落としているが、この3エリアは2年連続で3位以内を維持、他のエリアも3年連続同じ順位を保っているエリアが多く(北海道が年々下がってきている以外は)大きな変化はみられていない。

 

⑤「ベストウエルカム部門」東北トップ

ベストウエルカム(店舗の清掃状態をチェック)の部門では1位が東北(昨年4位)、2位が東海(昨年3位)、3位が首都圏で(昨年6位)という結果であった、前回今回の上位陣に変動が見られたが、下位陣やそのほかでは大きな変化はなかった。

 

⑥CS部門

CS(また、この店に来たいと思ったか)の部門では1位が東海(昨年3位)で66.6点、2位が首都圏(昨年4位)で66.0点、3位が東北(昨年9位)で65.5点。最下位は北海道(昨年1位)で60.1点となった。
1位の東海は2018年1位、2019年3位、2020年1位と、安定して上位を維持している。
3位の東北は一昨年の最下位、昨年の9位から一転、大躍進を遂げた一方で、北海道は昨年の1位から一気に転落し最下位となった。

 

全体達成率のばらつき

 

エリア別の部門達成率ランキングと時系列比較

 

都道府県別の部門達成率ランキング

 

フォーマット別強みと弱み分析

 

化粧品、百貨店、アパレル上位 コンビニが下がって19位に低下

 

2018~2020年の3年間の調査結果を合算して、フォーマット別・調査項目別の達成率を比較した。

結果、総合の1位は化粧品で90.9点、2位が百貨店で84.6点、3位がアパレルで84.4点となった。1位と2位は昨年と同じだが、3位のアパレルが4位から一つ上がってベスト3入りした。またワースト3の順位は21位リユース、22位DSが昨年と同じ、コンビニが19位から一つ下がって20位となった。

総合順位と各調査項目順位との連動性では、例年と同様の傾向で①売場づくりを除く②ホスピタリティ、③接客スキル、④レジ・チェッカー、⑤ベストウエルカム、⑥CSの項目にて連動性が見られた(図表③)。

 

図表③フォーマット別の部門別達成率と連動性

 

 

出店立地別傾向と対策分析

 

商業施設内の水準は高いが路面店との差は縮まっている

 

今回調査した6367店舗をショッピングモールやGMS(総合スーパー)、百貨店、駅ビルなどの大型商業施設に展開している店舗(3216店舗)と、路面店など主にフリースタンディングで店舗を展開している店舗(3151店舗)に分けて、その傾向に違いがあるかについて分析をした(表中では商業施設内を「モール」、路面店全般を「一般」と総称している)。

全体のスコアを見ると商業施設内にある店舗はトータルの得点が79.6点、商業施設以外の店舗は75.5点と商業施設内にある店舗が4.1ポイント高い結果であった。

毎年、商業施設内の店舗と商業施設外の差が開く傾向にあったが、本年は反転して昨年の6.2ポイントから比較すると差が縮まった。要因としては商業施設内にある店舗のホスピタリティ(2019年74.5→2020年68.4)、レジ・チェッカー(2019年88.2→2020年85.2)、CS(2019年70.7→2020年67.5)の項目の落ち込みによるものが大きい。依然として商業施設の店舗の方がサービス水準は高いが、人的サービス面のスコアが下がる傾向が出つつある(図表④)。

 

図表④出店立地別の2年時系列分析

 

ホスピタリティは差が縮まる モールの人手不足が原因?

調査部門別で差が大きかったのは②ホスピタリティ、③接客スキル、⑥CSのソフト面でおおよそ5ポイント程の差が見られた。

以下ではさらに掘り下げて差が大きかった調査項目を見ていく。

 

①売場づくり

具体的な売場づくりの部門で、ポイントの高かった商業施設内、と路面店で差が大きかった項目は下記の通りである。

  • 店内に入りたくなる仕組みはあったか…1ポイント差
  • 商品の着こなし方、使い方、楽しみ方などが具体的に提案できている売場であったか…0ポイント差
  • お客が現物を見て触って試すことができるような仕掛けはあったか…6ポイント差

売場づくりの全体では3.1ポイントとなっているが、詳細項目での仕組み・提案・仕掛けなどの創意工夫の部分で、商業施設内と路面店で大差がついている。商業施設内の方が、より売場にどうやってお客様を引き込むか、体験を重視するかという点において力を入れているかことがうかがえる。

 

②ホスピタリティ

調査部門全体で今回一番差が縮まったホスピタリティ部門である。依然として商業施設内が路面店より高い傾向にはあるが、差は縮まりつつる。

  • 擦れ違い あいさつの有無…0ポイント差
  • 擦れ違い 声の大きさ…0ポイント差
  • 擦れ違い アイコンタクト…1ポイント差
  • 擦れ違い 笑顔…5ポイント差
  • 店内のどのコーナーにいても、すぐに声を掛けられる位置に従業員がいたか。もしくはすぐに目に入る位置に従業員を呼べるボタンなどがあったか…8ポイント差
  • 従業員は声をかけやすい雰囲気だったか…0ポイント差

擦れ違いの項目では約10ポイントの差が縮まっているが、商業施設以外の店舗の達成率が向上しているのではなく、商業施設内にある店舗の達成率が2019年より10ポイント以上下がっていることが原因である。

また“店内のどのコーナーにいても、すぐに声を掛けられる位置に従業員がいたか。もしくはすぐに目に入る位置に従業員を呼べるボタンなどがあったか”“従業員は声をかけやすい雰囲気だったか”の項目も同様で、差が縮まっているのは商業施設内にある店舗の達成率が2019年より8~12ポイント下がっているのが原因である。

このことから商業施設における人員不足の状況が垣間見える。

 

接客スキルでは差大きいがレジチェックアウトは縮小

 

③接客スキル

6つの調査部門のうち最も差がある接客スキル部門である。

  • アプローチが無かった場合、声を掛けた際、アイコンタクトを取り、笑顔で返事やあいさつをしたか…7ポイント差
  • 商品について質問をすると従業員からニーズ(要望・好み・持っているアイテムなど)の聞き出しがあったか…6ポイント差
  • 説明や提案はわかりやすかったか…9ポイント差
  • ニーズに合わせた商品を具体的に提案したか…5ポイント差
  • 説明やお薦めは笑顔で行ったか…0ポイント差
  • 対応した従業員の印象はどうだったか(4ポイント差)

部門全体ではここ3年間で差は若干ではあるが縮まる傾向にあるが、接客の重要スキルである“商品について質問すると従業員からニーズの聞き出しがあったか”“ニーズに合わせた商品を具体的に提案したか”では13ポイント以上の差があり、接客力においては圧倒的に商業施設の店舗の方が高いことが分かる。

 

④レジ・チェッカー

部門全体で昨年に続き5.0ポイント差から3.5ポイント差と1.5ポイント差が縮まったレジ・チェッカー部門である。

  • あいさつ時にアイコンタクトはあったか…1ポイント差
  • あいさつ時に笑顔はあったか…5ポイント差
  • 「またお越し下さいませ」など、次回来店を促す言葉を添えたか…5ポイント差
  • 会計をした従業員の印象はどうだったか…7ポイント差

特に気になる点は、“あいさつ時に笑顔はあったか”(商業誌施設内79.5→68.9 -10.6ポイント/商業施設以外65.0→60.5 -4.5ポイント)、“「またお越し下さいませ」など、次回来店を促す言葉を添えたか”(商業誌施設内67.0→59.6 -7.4ポイント/商業施設以外59.1→51.1 -8.0ポイント)と両方とも前年を大きく下回っている点だ。

お客との最後のコンタクトポイントにあたりCSへの影響も大きい項目であるため、非常に重要な要改善点である。

 

商業施設内と路面店のサービスレベルの差

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エイジスリサーチ・アンド・コンサルティング編集部

エイジスリサーチ・アンド・コンサルティングは、客観的調査データを活用したCSマネジメント体制を確立。ミステリーショッピングを中心とする「トータル・コンサルティング」で、お客様の店舗に最適なソリューションをご提案します。